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四季の変化

御代田の春は「春一番」の前後に、遠く黄河流域から飛来する「黄砂」と共にやってきます。この時期、春二番・三番に相当する春の嵐が吹き荒れると「フェーン現象」が発生し、季節はずれの高温の日や「寒の戻り」による冬型の日もありますが、寒暖の激しい日々の繰り返しの中で春を感じるようになります。

例年、4月下旬から5月にかけて桜が開花し、花見の時期は5月の連休前が一般的です。夜ともなれば肌寒く夜桜を楽しむ雰囲気ではありませんが、他の地域とは違った桜が見えるのもこの時期ならではです。

「八十八夜の別れ霜」は立春から数えて八十八日目の5月2日ごろの霜害を戒めた諺ですが、高冷地の御代田では百十日(5月24日ごろ)又は百二十日(6月3日ごろ)まで霜害の心配をしなければなりません。

5月にはいるとカラマツ、白樺などが芽吹きを始め、鮮やかな緑が山々を覆います。ウグイス・カッコウのさえずりが林の中を流れ、一年で一番すがすがしい季節となります。

7月には梅雨も明け、短い夏がやってきます。夏の浅間山

信州といえども夏の昼間は暑いです。しかし、御代田では標高が高く湿度が低いせいもあり、木陰では過ごしやすいです。就寝時には掛け布団無しでは風邪をひくほどの気温差があります。自然環境にも恵まれているのでリゾート地として利用されている理由もうなずけます。

熱雷は夏に多く、夏型の南高北低の気圧配置が続く時に起きます。雷は2~3日続くことは多く「雷3日」と言われる。雷で怖いのが雹(ひょう)です。御代田では植え付けたばかりの野菜の被害が多く、全国的にも雹害の多発地域のひとつとなっています。

御代田の町花である「やまゆり」もあちこちの野山・庭先で大きな花を咲かせます。「ヤマユリ」は「クィーン オブ リリー」や「ゴールド リリー」とも呼ばれ、立派で大きな花が咲くのが特徴です。

8月のお盆を終えると涼しくなり始め、小中学校の夏休みも終わり夏らしい日は少なくなっていきます。

日も暮れて辺りが暗くなると、草むらから虫たちの鳴き声が秋の訪れを知らせてくれます。御代田の秋の訪れは早く、ほとんどの幼稚園・保育園・学校の運動会はあまり寒くならない9月に行われます。

浅間山はいまだ活動を続けていることもあり、山麓部分を除いてほとんどの樹木が生育しません。このため紅葉に染まることもなく、黒々とした変わらぬ山容を見せています。ただ背景となる青空だけが異様に透き通り、より神秘的な姿で私たちに迫ってきます。

御代田には「かりん通り」と呼ばれるのかりん並木があります。かりんの葉が落ち始めると、よい香りのする果実の収穫が行われます。軽トラックの荷台一杯になったかりんは、希望者に無料配布され、蜂蜜漬けやかりん酒に利用されます。

11月になると氷の張る日もあり、カラマツの葉が黄金色に変わり落葉し始めます。野菜の少なくなる冬に備え、家庭では野沢菜等の漬け込みが忙しくなります。浅間山の山頂も、白くなる日が多くなるのもこの時期です。

12月に入ると降雪量は少ないものの、この時期の寒さと季節風は厳しいものがあります。冬の露切峡

当地では、西高東低の冬型の時に北部県境方面や大町地方に降る雪を「下雪」と呼びます。2月から3月にかけて本州南岸を通過する低気圧に向って吹き込む大気は、中南信や御代田のある東信地域に思わぬ雪を降らせます。この雪を「上雪」と呼んでいます。水分の多いボタン雪のため電線が切断したり、樹木の枝を折ったり、交通機関にも大きな被害を及ぼすことがあります。

1月20日前後の「大寒」には、寒の水と呼ばれる伝統行事が行われます。参加している男たちは当然のことながら、見ているだけでも鳥肌のたつ奇祭です。

葉をすっかり落とした木立の中ではカラ類(シジュウカラ、コガラ、コゲラ、エナガ)の群れが見られます。